私はこれまで展覧会、滞在制作、ワークショップのため世界中を旅し、様々な街で感じたことや考えたことを作品に表現してきました。それぞれの土地の光や温度、匂いの記憶を時間をかけてベニヤ板に刻み、バレンで和紙に摺り取ります。インターネットを通じて世界中のあらゆる場所が可視化され情報は過剰に供給される時代に、実際にものごとを見る、旅をする、時間をかけて考える、手で作るという行為がますます重要になっているように思います。私にとって作品制作は、急流のような「今」という川に小さな杭を打つようなものですが、例え無駄とも思える行為であっても杭にしがみつかなければ私たちはただ流されるばかりです。
http://www.katsutoshiyuasa.com/
作家のインタビュー記事はArticleに掲載してます。