北海道出身
アーティスト・ステートメント、今回の展示について
日本には歳時記がある。七十二候、二十四節気に、四季の差が大きくあり、それぞれに特徴あり、それが日本のいいところだと思っています。私の住む北海道ですらはっきりとそれを感じるが去年は夏は一週間くらいしかなかったですが。夏が弱くなると人間そ随分と気分としては下がり気味で、コロナ感染者が多かったというのも関係ないとは言えないのではないかと思う。
コロナ禍から色々なものが見えてきました。作家にとっては良かったとも言えるほどに、世の中の価値観の変わり様を見てきた。遠出せず、近所ばかりよく見るようになったことは、初めはつまらないものであったが、そこにも面白いものを見つけた。餅屋にある餅が様変わりするのだ。「日本文化はかっこいい!」。正月は鏡餅、鶯餅になり、桜餅に蓬餅、おはぎ、べこ餅が並んだかと思うと水羊羹に変わる。おはぎがもう一回来たと思ったら月見団子に変わる。そんな中、地域によってはさらに色々なものがやって来る。餅屋だけでも、カレンダーができてしまうのだ!と思い、始めたのが「絵に描いた餅」シリーズ。その一端を展示しました。
農作物は北海道の冬は壊滅的だが、それが理由でこれまた色々な地域のものが集まる。季節感が全くないバナナやパイナップル、りんご、みかん。でも、あえてバナナを選んでみた。いつ食べても夏を感じる。北海道ではやっぱり新じゃがが出てくるとやはり嬉しくなるし元気になるし夏の到来を感じる。
日本の秋の果物はやはり豊富だ。
今回の展示では、「文化の日」と題したミートコロッケがある。この作品は地元の苫小牧美術博物館とのコラボレーションとも言える。
近年になってハロウィンは大々的にお祭りムードだが、本来のものじゃなくなっているのも日本の折衷癖。バレンタインもクリスマスも意味が違う。クリスマスにこぞってファーストフードのチキンを食べるところが面白い。
最後のクリスマスケーキは、昔単なるショートケーキだった気がする。イチゴがのったイチゴケーキ!イコール=クリスマスケーキだ!
季節に目を向けていて、次は魚屋に出入りして描こうかなと思ったのだ。