東京都出身
- 1991
- 東京藝術大学絵画科油画卒業 卒業制作東京藝術大学買い上げ賞受賞 O氏記念賞受賞
- 1993
- 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了
- 1996
- 東京藝術大学大学院美術研究科油画研究領域博士課程満期退学
- 現在
- 東京学芸大学 美術分野 准教授、独立美術協会会員、東京藝術大学リグビー部OB
主な展覧会
- 2017
- 「25人の作家たちー佐藤国際文化育英財団25周年記念奨学生選抜ー」(東京・佐藤美術館)
- 2016
- 「都美セレクション 新鋭美術家 2016」 東京都美術館(東京)
- 2015
- 「公募団体ベストセレクション 美術 2015」東京都美術館(東京)
- 2014
- 「春風交感展」大清湖美術館(大韓民国・テジョン)
- 2010
- 「別府アジアビエンナーレ 2010」別府市美術館(大分)
- 2008
- 「釜山ビエンナーレ」(大韓民国・釜山)
- 2006
- 「VOCA展2006~新しい平面の作家たち~」上野の森美術館
- 2005
- 「生まれるイメージ」山形美術館(山形)
- 2004
- 「Kara-Collages」Passages現代美術センター(フランス・トロワ)
主な収蔵作品
- 東京藝術大学美術館、第一生命、沖電気、DIAMライフアセットマネジメント、キョウリン製薬、CAC PASSAGES Contemporary Art Center等
「花澤洋太の最新作について」
「言葉では表せないコミュニケーションや心の内面を感動的、且つ攻撃的に抵抗感のある画面を創っていきたい」。26年前の個展で、彼が私に語ってくれた言葉だ。そしてこの表現精神が現在にも脈打つことは、作品に接した誰しもが想像に難くない。
彼の「抵抗感」をつかさどる重要な要素が画面の凹凸にある。パネルを整形し、その上から綿布を敢えて襞をつくりながら貼り、その上から彩色が施される。整形されたパネル、襞を寄せた綿布そして、絵具の厚みの相乗効果により画面の至る所が隆起陥没する。それこそがまさに彼の言う「抵抗感」なのだ。
加えて通常、絵画は絵具を「描く」か「塗る」という言い方をするが、花澤の場合は「絵具を置く」という形容が相応しい。それは、大胆にナイフを用いたり筆跡を積極的に利用することによる絵具の厚みが絵肌だけではなく高い発色の獲得にも関係するということだ。それにより表出する有機的な色のリズムは、俯瞰した南仏や南伊ののどかな田園風景或いは絵地図を想起させる。
重厚で力強い、それでいてしなやかな美しさを併せ持つ。
それこそが花澤作品の真骨頂なのだと私は思う。
佐藤美術館 学芸部長 立島 惠