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9月17日から10月30日まで
三井淑香の後期展覧会「虎のまじない」は、2019年2月15日から開催予定です。
ここはどこなのか?廊下には同じ間隔に扉が並んでいる。
どちらに歩いても同じ風景。私は歩き出す。
絨毯がまるで存在を吸収するかのように横たわり、
何もかもが存在以上の音を響かせる中を、音を殺す様に私はそっと歩く。
いつの時代、どこの国から来たのか、女の子が現れ、
ほほ笑みながら椅子に深く座り込む。
いつの間にかワルツがジャズに、そっと注意深く、変わっていることに、
私たちは気づいているだろうか。
果てし無く遠いと思っていたものが、目の前に並んでいる。
そして、今、全てが絵の具でできている場所に。
前期の展覧会名は、母の口癖である「全ての事には時がある」の時を思って「時を待つ女た
ち」と名付けました。私たちが今見ている世界だけじゃない、確かな「時」がそこら中に存
在しているのでしょう。うごめく様に掴み切ることのできない形、瞬きする間に変わってし
まう色、そして交差する油絵の具の美しい輝き!大胆に、繊細に、見えるままに、猛スピー
ドで一瞬を刻むように制作をしています。
前期「時を待つ女たち」(2018年9月19日~10月30日)旧作を中心に、後期「虎のまじな
い」(2019年2月15日~3月31日)は新作を紹介します。
私たちにとって古く、そして新しい世界をどうぞご高覧ください!
三井 淑香