# 0017
2021年11月2日 ~ 2022年2月20日 (予定)
出展作家(アルファベット順)
木下令子、三田村光土里、須永有
竹村京、ザ・ビークル
Meet the ARTist
11月20日14時から16時半まで参加作家(竹村京、ザ・ビークル、木下令子、須永有がホテルの展示会場に在廊する予定です。
ART PLATFORM TOKYOは(「ARTPLAT」)一昨年に続くホテルとのコラボ展アソーテッドチョコレート展Part IIを開催します。今回のテーマは現在アトリウムラウンジ(2FL)において提供している「金継ぎアフタヌーンティー」にちなみ「金継ぎ」です。
金継ぎは古くなって壊れた器を漆によって接着し、金粉などで装飾して仕上げる日本の伝統的な修復技術です。一見華やかなイメージがありますが、使い古され、完璧な形をとどめていないものに「美」や「愛おしさ」を見出し、修復を施すことでセカンドチャンスを与えます。日本はミスを容認せず、セカンドチャンスを与えない社会だとよく言われますが、実は時がもたらす変化を受け止め、人間が完璧でないことを理解し、大切なものを長く愛でる素地がある国なのではないかと、金継ぎは語ってくれます。今回は4人の女性作家と1アートユニット が「金継ぎ」をテーマにした作品をお届けします。
写真や映像の空間作品を得意とする三田村光土里さんは、印刷物の図版をトレースしてコラージュする「ファウンドローイング」シリーズの新作、「365 Encyclopedia」を発表します。実家にあった百科事典の中の図柄を毎日欠かさず抽出したドローイング作品です。「過去に生きた人の眼差しが、自分を媒介に新たに人生を生き直す感覚を覚えた」と彼女は言います。
国際的に活躍する竹村京さんは代表シリーズの一つ「Time Counter」の新作を発表します。一見ストイックでミニマルなパターンの中に添えられた金色の色彩が、作品のリズムを微妙に崩し、不完璧さが持つ美しさを表現します。来年のバレンタインデーに向けては、人気の日本初公開のトランプシリーズ作品展示する予定です。
アートユニットのザ・ビークルは現実と非現実の境界線を探る作品を作ってきました。かつて作品に使ったありふれた風景写真、最近同位置で撮り直した写真、さらに異なる写真を数枚コラージュした合成写真という3連作品を2セット3階の廊下に並べます。「現在と過去、さらに現実と非現実を繋ぐ」という彼ららしいコンセプチュアルな作品、さて皆さん、どれが合成写真か分かりますか?
木下令子さんの作品の支持体は、皺や折り目などを入れた完璧な状態を失った印画紙です。その上にスプレーガンで絵具を吹きつけ、さらに一定時間それを光に晒すことにより、作品は変化し続けます。また1階のエスカレーター下には皺の不可逆性を利用した布を支持体とした、新シリーズの大作を展示しています。スプレーガンで何層も吹き付けた白系の絵の具が光を模して布にくっきりとヒダを刻みます。
力強い筆致が特徴的な油画家の須永有さんは、今回2回目の出展です。自分を投影した絵筆、そして自分を囲む社会を投影したキャンバスが彼女のモチーフです。彼女にとって描くことは「壊れた器を金で繋ぐように、過去と未来を繋ぎ合わせた新しい美の創造」だと言います。