#0011
2020年1月16日(木)から6月9日(水)
期間延長しました。Stay safe and healthy!
(左:山口聡一 Overlap of paint (dot) 2019 / 右:増田将大 Moment’s #32 2018)
2020年初回の企画展は、絵具の物質的な重なりを追求する山口聡一、「現在の風景とわずかに過去の風景」を画面の重なりで表現する増田将大の二人展`Layers`をお送りします。
山口は見ると言う行為が「どう見るか?」というものの捉え方によって変化することに興味を持っています。Overlap of paintのシリーズでは、『平面』である絵画が絵具の物理的重層によって作られることに焦点を当て、新しい絵画の見方を提案します。同シリーズのDotでは、スーラに代表される点描画に存在する絵具の重なりに注目し、またDippingでは画面上で起こる絵の具の混色の様子を拡大することで、乾いていない絵具の湖に絵の具が筆によって次々と漬けこまれていくことによってできる絵具の層を表現します。
一方、映画にインスピレーションを得ている増田は、我々が生きているこの時間を、“映画フィルムの連続するコマ”のような刹那的な重なりで出来ていると考えます。ある空間を撮影し、その上にプロジェクターで投影することで、一瞬を何層も重なり、新しいイメージをつくる、この行程を何度も繰り返します。その画像は、さらにシルクスクリーンでキャンバスの上に刷り重ねられます。そうして、現在見える実像は、次の瞬間には幾重もの過去として画面に残されます。本展ではANAインターコンチネンタルホテルのチャペルや客室で撮影とプロジェクションを行なった作品を発表します。