EXHIBITIONS

Abstract of memory

STATEMENT

ARTPLAT(ART PLATFORM TOKYO)は、韓国人キュレーターのHyunjun Lim氏を迎えて、Sophie Borneck、奥山帆夏をフィーチャーした二人展「Abstract of the memory」を開催します。

私たちは大切な幸せな記憶が永遠に続くことを願います。しかし、忘れたい記憶から逃れようともします。記憶は人類の歴史と共に始まり、文章、音楽、行動を通じて進化してきました。わずか100年前、記憶を抽象的に表現しようとする偉大な文化が誕生しました。今日、さまざまな形式と技法を通じて、私たちは記憶を記録し、表現し、どこかの誰かに伝えています。記憶はさまざまな形で存在しますが、最終的にすべての記憶は実在しない抽象的かつ断片的な現象であると言えるでしょう。この点で抽象表現は、私たちの記憶を記録するための最も効率的な方法かもしれません。

フランス生まれのSophie Borneckは、現在ニューカレドニアに住んでいます。彼女はアクリルとインディアンインクを使用して、独自の芸術領域を確立しています。作品の基盤は生命の源であるミトコンドリアです。
私たちの親から伝えられたこの強靭な生命体、ミトコンドリアは、現在の自分を存在させ、すべての生物の基盤であり、次世代への継続を象徴しています。また、作家が住むニューカレドニアは、人間の影響を受けていない美しいオセアニアの文化が共存する場所です。そこに存在する美しいパターンも生命の起源であり、彼女の作品の核としてインスピレーションを提供しています。そこに存在する美しいパターンも生命の起源であり、彼女の作品の核としてインスピレーションを提供しています。

奥山帆夏の作品のモチーフは、自分の心情に近い生まれ育った北海道の原風景です。夏には白樺林の中の木漏れ日を浴び、秋には落ち葉を踏む音を聞き、冬には部屋から木々を容赦なく吹き付ける雪を眺め、春には待ち侘びた新緑に胸を弾ませたのでしょう。
絵画が三次元的空間を2次元的平面に落とし込む試みであるならば、奥山は「その工程をもう一度フラットに戻すことで違う視点を作りたい」と語ります。彼女の作品の多くは上下に大きな白い余白が残り、白いカーテンの隙間から覗く樹木を想像させます。
その制作方法は手が込んでおり、白い余白を残した画面に、淡い色彩をキャンバスにランダムに染み込ませるように描くことから始まります。その結果、ヘレン・フランケンサーラーのステイニング技法を使ったような美しい抽象画が生まれます。奥山はその淡い色彩の上に、さらに樹木のモチーフを描き、抽象画をより具象的な作品に生まれ変わらせます。「樹木が描かれた一枚の布を描いている」と彼女はいいます。

色彩と余白を使い、キャンバスという布の上に布を描く彼女は、自分の作品で「地と図を絡める」と表現します。彼女にとってのカーテンは決して内と外、現実と非現実の仕切りではない。森の中を歩いている確かな現実、どこに立っているかわからなくなる感覚、一瞬にして周りが薄暗くなる不安や恐怖という、どこまでも続く自然の世界の広がりなのです。

WORKS

No items found.