作品
2024 (ed. 5) アーカイバルピグメントプリント, アクリル Archival pigment print, acrylic board 70×145cm frame + 66,000 yen
すぐそこにある色彩を見るということは分光された光を見ているということにほかならない。今わたしの目の前にある草花それぞれが持つ色彩は植物が長い時間をかけて獲得してきたもの。草花の色と形にはそれぞれ固有の意味を有している。私は草花の色彩の意図を本来の意味として理解していない。それならば植物としての意図からさらに乖離させてゆくことによって私なりに草花の色彩の意味の拡張を試みる。 まず、空間・色彩の情報を圧縮してみる。現実の空間を限りなく平面として捉え直してみる。具象的なイメージと抽象的なイメージの中間を意識してみる。色彩と空間がわずかに混ざり合う二次元的なイメージの形成を試みる。現実でもなく非現実でもない色彩の場を作り出せるのか。それがいま色彩について私が考えていること。